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§ 龍王の巫女姫 §
第16章 淡く儚く 愛おしく
「──…危ない」
「…え?」
花仙がぼそり呟いたから
「危ない…?…っ、何 が…!?」
水鈴は背後をキョロキョロと見回した。
「そちらではありませんよ」
......
背後を見てもそこにあるのは梅の木と、若草を啄む子馬だけ。
すると──
男の片腕が、彼女の肩を抱き寄せた。
唐突に頬に当たる彼の胸
そして水鈴は口を掌でふさがれる。
「水鈴様…その言葉は…」
「…ッ─?」
「危険だ…っ」
これ以上喋るな
まるでそう言いたげに、花仙は彼女の口許を手で覆ってしまった。