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§ 龍王の巫女姫 §
第3章 永久( トワ )の別れ唄
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──でも…それでも…
会えない人がいる。
「…花仙…、あれから三日」
彼は此処を訪ねてこない。
「やっぱり怒っているからかしら」
村人の行列が途絶えた夕刻…
花仙の事をふと思い出す。
あの日は散々に怒られて
わたしもずっと謝っていたけれど
まだ許してくれないのかしら?
寂しい、会いたい
今すぐ会いたい
「…会いに行こう」
思い立ったら吉日よ
軒下に腰かけて足をぶらつかせていた水鈴は、すぐさまいつもの下駄を取り出して指を通す。
カラン、カランッ
下駄の音は、彼女のはやる気持ちの代弁者
乾いた高音を森に響かせていた──。
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