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§ 龍王の巫女姫 §
第18章 貴方に届けたい
「それが言いたかっただけですか…!?」
「間違っていないだろう。お前の場合、気をまぎらすのが一番の良法だ」
「……!」
間違ってはいない…確かに、いない。
ここの狭さを意識しないように他のことに集中すればいいのだから。
今は彼女にとって、炎嗣こそが刺激物。
ジッ...
“ こんなふうに目を合わせたら、意識の全部が吸い込まれてしまいそう…っ ”
ぱちぱちと弾かれるように目をそらすも、再び盗み見れば、変わらず彼の眼差しが自分を突き抜いてくる。
「目をそむけるな」
「…ッ 無理です……炎嗣様の視線があまりにも強いから」
「……はぁ?」
たじろぐ水鈴を笑う炎嗣──
そういえばと、何かに納得しながら話し出した。