この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
§ 龍王の巫女姫 §
第19章 神への捧げ物
もともと朝の日課であった薬草集め。
消毒用の薬草はとくに珍しいものでもないから、簡単に見つけられる。
“ 目印になる水辺が… ”
それがある筈だから、その場所に行けばすぐだ。
それから水鈴は探していた水辺に辿り着くと、足元の野草に目を配る。
「これと…これと」
裾の汚れが気になるけれど…仕方なく腰をかがめて薬草を摘み取った。
「これを早く炎嗣様に…──」
届けないと。
早く、戻って…
『 王宮に帰る、その時は
……お前を俺のものにする 』
……っ
「戻ったら、わたしは炎嗣様のものになる…」
それがわたしの意思表示になる。