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§ 龍王の巫女姫 §
第19章 神への捧げ物
「巫女服はどうした。王に捨てられたのか?」
そうして男は水鈴に冷めた目を送る。
「炎嗣様はそんな事しません…っ」
「…王をかばうのか」
それは落胆の目。
「何という事だ…!! あれだけ気をかけてきたというのに、最も恐れていたことになってしまった…。まさかお前が、李王の手によって穢されるとはな…」
次の瞬間、人が変わったかのように男の目が血走った。
“ 穢される…!? ”
水鈴は危険を感じとる。
「その身体を差し出したのか?男の手によってその脚を開かされたのか?」
「…っ 何て事を言うの…!! 村長、落ち着いて…」
「落ち着いていられるか!」
男は頭を抱え込んだ。
「捧げ物が穢れているなど、神は御許しにならないだろう…!!」
捧げ物?
何を言っているの?
「何の故に人目を避けて育ててきたと…何の故に、よこしまな者達から遠ざけてきたと思っている?」
村長…──!?