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§ 龍王の巫女姫 §
第19章 神への捧げ物
水鈴の混乱は加速する。
「全てはあの化け物のせいだ…!!」
「……!!」
悔やんでも悔やみきれない。
男はそんな表情で拳をきつく握り締めた。
「奴がお前を誘惑したばかりに。…ああ、なんと嘆かわしい」
さっさと殺しておくべきだったと、後悔しようとも後の祭り。
村長の男は、水鈴に手を差し出した。
「来なさい」
「村長…!」
「お前がこれ以上穢される前に、急がなくては」
「わたしは…っ、穢れてなんていません…!!」
差し出された手を水鈴は拒む。
違う、村長の言葉は間違っている。
わたしは汚れてなんていないもの…。
「わたしは花仙に恋をしたし…炎嗣様に抱かれました。でも──…それは村長に教わったような穢れた行為ではありません!」
「…!? 何を馬鹿なことを…」
水鈴が反論してくることは珍しく、男は目を見開く。