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§ 龍王の巫女姫 §
第19章 神への捧げ物
ためらうのは当然。
むしろ狼狽えないその姿に感心してしまう──。
「どうする?」
「…わかった」
炎嗣はついに、鞘から勢いよく湾刀を引き抜くと、それをカランと足元に落とした。
国の王が自ら丸腰になるなど…普通ならあり得ない。
「…無様な姿だな、李王よ」
無様であり、愚か
それは炎嗣も承知の上──。
「全くだ…自分で自分に泣けてくる」
「そこで裸踊りでもしろと言えばどうなるのだ?」
「……、面倒だがやってやるよ」
だから早く──
「その刃物をしまえ…!!」
彼女の首筋に光る刃物のせいで、炎嗣の怒りはじわじわと頂点に登り続けていた。