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§ 龍王の巫女姫 §
第20章 史書から消えた物語
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「陛下の目に入ったらどうするつもりだ?只でさえ病に臥せた御身体だぞ」
「実はこの者が……」
あからさまに眉を潜める宦官に、駆け寄った衛兵が耳打ちする。
するとその宦官は信じられないと言った表情で少年を見た後、きまり悪そうにさっさと姿を消した。
その後、少年は石畳の庭園に連れてこられた。
「──…ふむ…、間違いはないな?」
そこで彼等を迎えたのは、明らかに高い位を思わせる役人の男。
「は!徴( シルシ )も確認致しました」
「見せてみろ」
「今すぐ!」
衛兵は少年の肩を掴むと、役人に良く見えるように背中を向けさせてから彼の衣をずり下げた。
「…っ…やめろ!」
少年は抵抗したが、衣の下の特異な痕が皆の前に現れた。
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