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§ 龍王の巫女姫 §
第20章 史書から消えた物語

正確に言えば、女官が運ぶ料理に向いていた。

「…?大人しくなったな」

抵抗が止んだことで衛兵達は不思議がる。


「どうかしたのか」

「…あの飯は…誰が食べるんだ」

「飯?とな、はて…」

少年の目線を追った右丞相は、女官の持つ料理に気が付くと、勝手に納得する。

この子供は腹が減っていて
だから食べ物に反応したのだと勘違いしたのだ。


「お前にも用意してやる。ふん…まったく、食い意地だけははっておるわ…」


「……」


男は建物の中に戻る。

そして女官も、廻廊を渡ってその姿を消した──。








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