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§ 龍王の巫女姫 §
第20章 史書から消えた物語
「調べたところ、夕餉に毒が混入していた」
毒と告げられても少年は驚かない。
「──…随分と落ち着いておるな?」
右丞相はそんな彼の様子に口調を厳しくした。
「お前は昨日の時点で知っていたのだろう?何故だ…いったい誰に教えられた?」
「教えられた…だと…?」
なんだ?話がおかしな方向に進んだ気がする。
「…それとも、お前の仕業なのか」
そうか…俺が疑われてるのか
そういうのは初めてではないから、それほど不思議でもない。
理不尽ではあるが──
「答えない気だな、まぁいい…尋問官が庭で待っておる。そこで素直になるといい」
「……っ」
「──…待って」
凛とした声