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第20章 史書から消えた物語

逃げよう

少年はそれを選択した。決意というより選択…まさにその言葉が似合うくらいの、軽い気持ちで。

“ 邪魔な衛兵も消えた。近くにいるのはこいつだけだし… ”

少年は拳を構える。

後ろから隙をついて怯ませて、とっととずらかる作戦だった。



ﾊﾟｼ ｯ──



「…ぉ…!?」


「危ない…よ」


しかし、頭部を狙って突き出した拳を受け止められる。


死角から狙ったのになんで──ｯ

少年は焦燥した。