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§ 龍王の巫女姫 §
第21章 黒髪の兄弟は束の間に


無視できない単語が彼の口から現れたので、炎嗣はすかさず聞き返す。


「お前が…兄?誰のだ」


「同じ御方を父親に持ったんだから、僕たちは兄弟だろう?」


「兄弟……!?」


真向かいに座る青年に顔を戻した。



兄弟……!?

そんな訳が……


「…俺達は兄弟じゃない」

「何故そう思うの?」

「何故って…っ、全然似てないじゃないかよ」

「似てるさ、例えばほら…」


サラッ‥


「──…僕たちの髪は、同じ色だ」


「……色」


「君も僕も黒いだろ?やっぱり兄弟だな」


「馬鹿 じゃ…ねぇの」





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