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第21章 黒髪の兄弟は束の間に

落ち着いた雰囲気に輪をかけた蒼慶は、すっかり少年の影を消した、見目麗しい青年となっていた。

そして炎嗣はというと…

その身長は蒼慶に追い付き、痛んでいた黒髪も濃い艶を取り戻していた。

擦りきれた衣をまとって衛兵達を大声で罵倒していたあの日の少年と、まさか同じ人物だとは思われまい。


この二人が宮中を歩くだけで
周りの妃嬪や女官達からの熱い眼差しが集まる。


三年という歳月が、彼等をそんな男に成長させたのだった。