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§ 龍王の巫女姫 §
第22章 蛇の落とし子
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「それに…、百五十年前に預言された《龍の子》の真実を、僕は知っています。今ではまるで救世主のように語られているけれど…」
「…まさか…! いったい何処でそのような」
「修文殿です」
修文殿( シュブンデン )とは、一般には解放されない機密の書物を管理する役所だ。
蒼慶はかつて、そこに忍び込み預言の真相を知った。
「龍の眼を持つ者
龍の髪を宿す者
龍の爪を背負う者…──
三人の子供がこの世に生まれ、国を救う…」
その預言が民に伝えられ、国中に広がり、そして皆の期待は預言の子供に集まっている。
しかし……
その預言は、偽物だった
「修文殿に残された記録には、そのような事は書かれていなかった」
それを蒼慶は見つけてしまった。
彼にとっては残酷な真実を
そこで知ることになろうとは…。
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