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§ 龍王の巫女姫 §
第22章 蛇の落とし子

「…父上は覚えていますか?六年前に起こった、吉峰村での惨殺事件を」
「吉峰村( キッポウソン )……!?」
聞き覚えのある村の名前だった。
「あ、ああ…覚えている。村人を皆殺しにした山賊が、何者かによって同じ様にひとり残らず殺されていたと…報告を受けた」
村は死体の山
それは酷い惨状であったと聞いている。
「僕はその村の生き残りです」
「…なんだと…!?」
「…お分かりでしょう? 僕がどれほど危険な男か」
「蒼慶…っ…」
「──…ですが」
スッと、腰を下ろした蒼慶。
彼は寝台の横に膝をついて座り、王の手を両手で握った。

