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§ 龍王の巫女姫 §
第22章 蛇の落とし子
まだだ…まだ、早い。
蛇は執念深くなければならない。
あっさりと罪を認めるようでは 蛇足り得ない。
.......
「──…お怪我は痛みますか?蒼慶様…」
「……ッ」
牢の壁にもたれる蒼慶のもとに来客があった。
相変わらず目を開けようとしない蒼慶は、うなだれていた頭を僅かに上げて反応しただけ。
格子の向こうで笑っているのは…
「右 丞相‥殿… か」
やっと、黒幕が現れたのか。
予想より遅めの登場だ。
蒼慶は口の端で笑った。