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§ 龍王の巫女姫 §
第22章 蛇の落とし子
「…父上が…国政から 離れ、…炎嗣が都から遠ざかれば…ッ、貴方がたが動き出すと予想しました。…まさかこんなに分かりやすい手口でくるとは思わなかったが……」
「…ほぉ?蒼慶様は、これも計算の内だと仰りますか、この…状況も──」
含み笑いが聞こえる。
自分の勝利を確信した笑いだ。
「蒼慶様が悪いのですぞ。もし貴方が炎嗣と同じ愚か者であったなら、このような仕打ちをする必要もなかったのだ。しかし…不運なことだ。蒼慶様の才能には頭が上がらぬ…邪魔で仕方がない」
「……僕は誉められたのか?」
「ハッハッハッ、そうで御座います。賢くお優しい貴方には、このまま死んで頂くしか道は残っていない」
死、という言葉が右丞相の口から出てきた。
残酷な言葉である筈なのに、なんとも軽々しく言うものだ。
「──もしや命まで捕られるとは思っておりませんでしたか?このまま黙秘を続けていれば…じきに外に出られるとでも?」
「…ふっ」