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§ 龍王の巫女姫 §
第22章 蛇の落とし子
父上には謝ったけど
まだ…君には……謝っていないな
「…右丞相…ど、の…」
「──?」
「貴方は大きな見落としをしたようだ…」
「…なんですと?」
「貴方は選択を間違えたんだ、…自分にとって…脅威となる相手を…ッ 取り違えた。
──…言った筈ですよ。いずれ、焦って自らぼろを出すことになると」
「……!?」
当然、右丞相は覚えていない。
数年前の些細なやり取りに込められた忠告が、今、現実のものとなろうなど…夢にも思わず。
「死に損ないめ…!! お前が死ねば邪魔者はいなくなる。無学な炎嗣など掌で転がしてくれるわ」
「…ハ…、お気楽だね」
「何を笑うか!」
だって笑うしかないだろう?
彼等はまんまと僕の戦略にはまったんだ。
炎嗣の賢さにも、天性の才能にも気付いていない。
こんな可笑しな事はないじゃないか。