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§ 龍王の巫女姫 §
第22章 蛇の落とし子
「切り札は最後まで見せないものだよ」
「…っ…貴様」
右丞相の声がうわずる。
蒼慶の言葉に彼は動揺し…そして、異様な不安を感じてじわじわと脂汗をかいていた。
「──おい、お前!この化け物の両目をつぶせ!」
金切り声が牢に響く。
「──…」
「…ッ? …は、ぎょ、御意」
右丞相の命令に衛兵は躊躇ったが、渋々といった様子で蒼慶の前髪を掴み、上を向かせた。
蒼慶は、瞼を上げない──
それでも彼には…
自身に向けられた鋭利な刃物が
炎をうけて紅く染まっているのがわかった
───…