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§ 龍王の巫女姫 §
第23章 愛するあなた達へ
「どうしてこの様な所にいらっしゃるのですか!? みんな探しています!───…え?」
「……」
「花仙…!?」
炎嗣の姿をとらえて駆け寄ってきた水鈴は、その隣に座る花仙に気が付いた。
「──…花仙…が、なんで炎嗣様と…」
「水鈴。─何故 お前が探しに来た」
「…っ…だって炎嗣様が…怪我も治っていないのにお姿をくらませたと聞いて」
花仙を前に言葉を詰まらせる水鈴に、炎嗣が聞き返す。
「お前の方こそ熱は下がったのか」
「…熱?あ…」
「──!」
熱、そうだ
自分は熱を出していたんだ。
炎嗣を探しだしてほっとした水鈴は、急に身体の力が抜けて ふらりとよろめいた。