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§ 龍王の巫女姫 §
第24章 龍王の許嫁( イイナズケ )
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「お前も飲むか?」
「…、…薬が入っていないなら」
「──媚薬のことか?今さらそんな物…入れていないから安心しろ」
空いた杯( サカズキ )に酒が注がれる様子を見ながら、水鈴はそろそろと座卓に近付く。
炎嗣に促されるまま
彼の隣に腰を下ろした。
「こんなに飲めません…わたし、お酒の味は苦手」
「そうなのか?初耳だぞ」
「ふふ、…だってあの時の炎嗣様は、そう言っても聞いてくれなかったでしょう?」
炎嗣は王宮に連れてこられてすぐの水鈴を、媚薬入りの酒を飲ませて抱いていた。
毎晩、毎晩…
うぶな身体を、快楽漬けにしたものだ。
「あの時の俺は、随分と勝手な男だったな」
そんな自分を思い出し、炎嗣は決まり悪そうに笑った。
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