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§ 龍王の巫女姫 §
第3章 永久( トワ )の別れ唄
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水鈴はそれで話すのをやめた。
その代わりに、気持ちの良さげな小さな寝息が聴こえ始め…それに合わせて肩が動いている。
横に臥す花仙は、風邪をひかぬよう彼女の布団を肩までかけ直した。
《好き……》
「…罪な人です」
なんて言い逃げをするのですか
あっという間に寝入ってしまった彼女の髪に再び指を通す。
夢に怯える水鈴は、きっとまともに睡眠をとれていなかったのだろう。
このまま心安らぐ朝を迎えられるといいのだが。
「──…」
反対を向いてしまった水鈴の顔を覗きこむように…
花仙は手をついて彼女の上に被さった。
そして彼は空いた手を自分の後頭部に伸ばすと、目を覆う布の結び目を解いた。
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