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§ 龍王の巫女姫 §
第25章 終章
彼女は空を見上げた。
「あれは……」
すると其処で、一羽の鷹( タカ )が旋回していた。
高い所を飛んでいるものだから見えづらいが、立派な大きさの鷹である。
見覚えがある気がして暫く眺めていると、鷹が少しずつ降下してきた。
数回の旋回で徐々に高度を下げてゆき…
──錯覚か、此方に近付いているように見える。
森で小鳥と戯れたことはあれど、鷹ほどの大きさの鳥はやはり危ない。
あれよあれよと言う間に迫ってくる茶褐色の翼に、水鈴は唾を呑み込んだ。