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§ 龍王の巫女姫 §
第5章 炎の李王

“ わたしは閉じ込められている…!? ”

いったい誰に?

まるで部屋中の家具が刺客だとでもいうように、見慣れぬ其等に疑りの視線を向ける。


「……っ」

そんな中で、水鈴が小さな悲鳴をあげた。


寝台の奥に人影を見つけたと思ったからだ。


…しかし何のことはない

それは姿鏡( スガタミ )に映る彼女自身だった。



「……?」


彼女は首を傾げながらゆっくりと鏡に近づき、そこに全身を映し出す。


確かに自分で間違いはない。この顔はわたし…。


…けれど


「この服はいったい…」

鏡の中の彼女は普段の巫女姿でなかった。


彼女が身に付けているのは白絹であしらった上衣下裳。襟元には金の刺繍が施されている。

結っていた銀髪も解かれていた。



“ わたしが眠っている間に…!? 誰かが服を着替えさせたの? ”


内衣も違うものに変わっていた。それに気付いた水鈴は青ざめる。



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