この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
§ 龍王の巫女姫 §
第5章 炎の李王
“ わたしは閉じ込められている…!? ”
いったい誰に?
まるで部屋中の家具が刺客だとでもいうように、見慣れぬ其等に疑りの視線を向ける。
「……っ」
そんな中で、水鈴が小さな悲鳴をあげた。
寝台の奥に人影を見つけたと思ったからだ。
…しかし何のことはない
それは姿鏡( スガタミ )に映る彼女自身だった。
「……?」
彼女は首を傾げながらゆっくりと鏡に近づき、そこに全身を映し出す。
確かに自分で間違いはない。この顔はわたし…。
…けれど
「この服はいったい…」
鏡の中の彼女は普段の巫女姿でなかった。
彼女が身に付けているのは白絹であしらった上衣下裳。襟元には金の刺繍が施されている。
結っていた銀髪も解かれていた。
“ わたしが眠っている間に…!? 誰かが服を着替えさせたの? ”
内衣も違うものに変わっていた。それに気付いた水鈴は青ざめる。