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§ 龍王の巫女姫 §
第5章 炎の李王
《 村の者以外に肌を見られるような…そんなはしたない真似をするようでは、巫女失格だぞ、水鈴 》
髪も顔も人目につけてはいけないと、そうきつく言われてきたのに
衣の下まで隈無く見られてしまったのだろうか?
“ そうとしか考えられない…! だってわたしがあの夜、身に付けていたのは… ”
「──…!!」
あの夜──
山道を駆け、砂利道に座り込み土で汚れ
花仙の血で赤く染まった夜着……。
「‥あ‥ッッ」
悍ましい記憶がよみがえる。
震える水鈴は寝台に手を添えてへたりこんだ。
“ そうだわあの夜…!! ”
村が燃えていた。
皆が殺されていた。
花仙が酷い傷を負い…
武器を持った恐ろしい男達がいた。
わたしは…意識が無くなって
──そしていま、此処にいるの?
「‥っ……そんな‥みんな‥っ」
座る彼女から嗚咽が零れる。
──ギィ...
「…漸く目を覚ましたらしいな」
「……ッ…誰‥!?」
その時、何者かが部屋に入ってきた──
水鈴は寝台の影から戸を見遣る。