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§ 龍王の巫女姫 §
第5章 炎の李王

考えを巡らし、悪夢の夜を思い出す。
「……っ」
燃える村と村人の遺体。
そこにいたのは剣を持つ男たち。
…彼等は王が率いる軍兵だったのだ。
兵士は生き残りのわたしたちを見つけるなり追いかけてきた。そして捕らえられ…王の命令でわたしは此処に拐われた。
この事実が何を示す?
あの状況は何を表す?
峭椋村の皆は、王と都を恐れていた。
わたしを都から遠ざけようとしていた。
…こうなることを予想したから?
「…何も知らずに…わたしは…!!」
我が儘にも村を抜け出して
そしてみんなは…
「──…王に殺された…っ」
峭椋村は李国に滅ぼされた。
優しかった皆を…あの男が…!!
あの男が殺したのだ。

