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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第10章 すべての鍵
◇◇◇
‥おかしい‥
最近やけに月の陰りが気にかかる――――
異様な程に輝き光を増す月を見上げ凡人には感じない月の陰りを読み取る‥
環境の変化に敏感な山の獣達の動きを不審に思い、舎弟達に見張りを強化するよう指示していたが‥
奴はただならぬ気配を感じていた‥
‥こりゃ、ちょっと腰を据えて様子を見なきゃならねえみてぇだな…
そう、‥彼は野獣。
ここ数週間、逢いたい人に逢いに行くのも堪え奴は山の守りに徹していた‥
「お頭ぁ!!」
「あぁ、なんだ?‥」
見張りについていた舎弟の一人が根城に走り込んで来る――
そして尊敬する我がお頭の姿に絶句する!
「…っ…どしたんすか!?その恰好はっ!?」
「‥気にすんじゃねぇ!!
ちょっと寂しさを紛らわせてただけだっ」
「寂しさ!?‥」
舎弟は戸惑いながらお頭を眺めた。
そう‥
奴は愛しい嫁に逢えない寂しさを紛らせようと嫁が残していった分身を身につけていた…
嫁の残した分身‥
それは、‥あの日、アルが身につけていたタンクトップとミニ短パン‥