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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第10章 すべての鍵


村人達からはそうとも呼ばれていた──



妃奈乃は静かに口を開く


「慌てるでない‥

大体のことは予測できておる‥
直ぐに東へ向かう準備を。」


「はい!直ちに!!」


弟子は大急ぎで走りさっていく
その慌ただしさを見届けていると奥の間の仕切り幕から一人の少女が顔を出した


「母上‥」


「‥‥‥とうとう、時が来たかもしれぬ‥‥

我が娘、未夢よ‥今度ばかりはこの母一人の力ではどうにも出来ぬ…

そなたの力を借りる時が来たようじゃ。」


白い着物を見に纏い金色の袴を着た少女‥
床につくほどの黒く艶やかな長い少女の髪には神力が宿っていると言われている

少女は母の言葉に静かに頷く‥

そして窓から白銀の輝きを反射するような朝焼けの空をぐるぐると旋回する一羽の大鳥‥隼を眺め呟いた


「ふ‥‥あの豪傑に会うのも久しぶりじゃ‥‥ククッッ」












―パチッ‥


森の奥深く‥白煙をモクモクと燻らせ大木がパチパチと音をきしませ紅く燃える。

ここは南の大陸‥

黄金に実った大地を一瞬のうちに灰色に焼かれた国‥

農作物だけで豊かになった国は多大な痛手を受けていた‥


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