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第11章 神秘と謎

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「お‥そろそろ始まりそうだな‥」


ロイドは小屋に入って来るなり、落ち着きなくうろうろと歩き回る母馬を見てそう呟く。


「産まれそうなのっ？」


ワクワクしながらマークが聞いてくる


「あぁ、落ち着きがないのは、たぶん陣痛が始まってるからだ‥」


「じんつう？」

「あぁ、赤ちゃんが産まれてくる準備をお母さんの体が一生懸命してるんだ‥これを乗り越えないと元気な赤ちゃんを産めないんだよ‥
人間も同じ!!お前達もみんなそうやってお母さんが痛みを乗り越えて産んでくれたんだ‥

だからこそ‥
お母さんに感謝しなきゃ!せっかく貰った命だ‥

大事にしないとな‥」


「うんっ！‥//」

ロイドはそう言って微笑みながらチビ達の頭を優しく撫でる
そして嬉しそうに頷く三人をアルも抱きすくめながら母馬を見守っていた。


「すごく苦しそう‥」

ユリアが心配そうに言葉をもらす


澄んだ黒い瞳を潤ませ痛みと格闘しながら母馬は立ったり座り込んだり落ち着きがない‥


「初産だからな‥

ちょっと時間がかかるかもしれない――
無事に産んでくれればいいんだが‥」


慣れているロイドでさえも不安を隠せない。