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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第12章 揺れる想い
今は男の子の姿だから──。そう人目を気にしたアルは変に気を使ってしまい、掴まれた手を軽く振りほどこうとしたのだが、小柄なわりにアレンもやっぱり大人の男‥
「あっ‥//」
掴んだ手にぐっと力を入れて微笑み返すと有無を言わさず馬車の中にアルを引っ張り込んだ――
その拍子にアルはバランスを崩しアレンの上になだれ込む
ロイドやレオ達に比べれば頼りない胸板ではあるが、それでも女のアルに比べればぜんぜん安定感のある胸板だ。
アルは自分の体の下敷きになったアレンのその感触に驚きとっさに起き上がった
「……っ…ごめんなさいアレン!!」
アルは慌ててアレンの上から飛び退き、車内の隅っこでぴたりと壁にくっついてアレンから距離を置いて座る
アレンはそんなアルに笑みを返した‥
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「ご、ごめんな‥さ‥//あたし重いから‥」
少し太ってきたことを気にしてうつ向き、赤くなりながら小さく言うアルにアレンはサラッと言葉を返す
「‥クス‥そんなことないですよ。
久しぶりに女性らしい重さを味わいました‥」
「……っ…」
じょっ、女性らし重さって!?‥//