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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第12章 揺れる想い
アルは娼舘を逃げ出した時に必死で追いかけてきたルイスを思い出していた
「危険な場所も知っておかなければ、誤って入り込んだでは済まされません‥
国が豊かな変わりに人々の生活も心も様々です‥
いい暮らしをする者もいれば‥明日をどう生きよう‥そういう者もいるのが現状──
世の中に平等と言う言葉は存在しないんです。
それでも頑張ろう!
そう思うのが人の心です。
私はアルや子供さん達を見てつくづく思いました。
常に相手を気遣う気持ち‥みんながそんな思いを持てた時に、ほんとの豊かさがあるのではないかと‥」
アレンはそういいながらアルに穏やかな笑顔を向けた
「さ、着きましたよ。
気をつけて降りて下さいね。私はこのまま調査に向かいますのでここでお別れです。」
家の前までアルを送り届けアレンは馬車の中からアルに手を振る
そして馬車の走りだす直前に窓から顔を出し言った
「今日は久々に楽しかったです。また、つかの間のデートのお相手‥お願いしますね」
‥えデート!?‥//
去り際に、微笑みを浮かべてウィンクするアレンにアルは手を振り返すことさえ忘れていたようだ…