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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第14章 天下無双!偉才の老師
マークの見つめる先には、お人形を大事そうに抱えた小さな女の子が、こちらの様子を伺いながら、マークと同じようにリンゴ色に染まっていた。
モニカの妹のナッツだ。
意識し合う小さな二人を見てモニカもアルもフッと笑みを溢した。
「マーク。説明お願いできる?」
「あ、う、うん!!」
焦りながらマークは薬の飲み方をモニカに教える。トコトコと恥ずかそうに少しずつ近づいてくるナッツにチラチラと目をとられ、マークは声を緊張させていた。
「ねえマーク…」
アルはニヤニヤしながらマークに話掛け、モニカと目配せし合う。
「あの子可愛いよね。ナッツって言うんだよ」
「う…うん…」
マークは耳までぱぁっと赤くなった。
微笑ましい小さな恋の蕾を見つけたような気分で、アルとモニカは照れ合う可愛い二人を見つめ、笑みを浮かべていた。
「じゃあ…ありがとう」
「うん、また薬は持って来るから」
見送るモニカにアルは答える。薬を渡したら直ぐにおいとまするつもりでいたのに、思わぬ小さな恋の発見についつい、長居をしてしまった。
そのせいで、小さな恋の蕾はだいぶ膨らんだようだ。