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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編
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「すっきりしましたね。
レオのお陰で、山へ派遣していた隊の人件費も浮いたことですし、これからは此処も手入れをしましょう」
役所の作業を終えたアレンが様子を見にきていた。
「ああ、そうだな…大事な守護樹をまた雑草に埋もれさせるわけにはいかない」
腰を落とすとルイスは湿った太い幹の根元に手を添えた。湿地を好む、小さな虫達が住みかを荒らされ右往左往してる姿が目に写る。
「悪いな…こっちも一大事なんだよ」
ルイスはコソッと、か弱き虫達に詫びていた。
花も実も、ましてや葉っぱさえも咲かすことのない千年樹を見上げる。そしてそのまま空を眺めた…
太陽が西に傾きつつある。
「もう少しだな…」
ルイスはポツリと呟き踵を返した。
「ルイス殿? どちらへ?」
「ああ、ちょっとな。
後始末の指揮を頼む。済んだら解散してくれ!」
声を掛けたアレンにルイスは振り返りながらそう答えた。ルイスの足はそのまま、城の警鐘塔を目指していた。
「ふぅ…
ホントにすっきりしたな」
長い螺旋階段を上がり、鐘の場所まで辿り着くと大樹の周りを見渡す。何年も草に覆われ、急に裸にされた土が色濃く広がっている。
「すっきりしましたね。
レオのお陰で、山へ派遣していた隊の人件費も浮いたことですし、これからは此処も手入れをしましょう」
役所の作業を終えたアレンが様子を見にきていた。
「ああ、そうだな…大事な守護樹をまた雑草に埋もれさせるわけにはいかない」
腰を落とすとルイスは湿った太い幹の根元に手を添えた。湿地を好む、小さな虫達が住みかを荒らされ右往左往してる姿が目に写る。
「悪いな…こっちも一大事なんだよ」
ルイスはコソッと、か弱き虫達に詫びていた。
花も実も、ましてや葉っぱさえも咲かすことのない千年樹を見上げる。そしてそのまま空を眺めた…
太陽が西に傾きつつある。
「もう少しだな…」
ルイスはポツリと呟き踵を返した。
「ルイス殿? どちらへ?」
「ああ、ちょっとな。
後始末の指揮を頼む。済んだら解散してくれ!」
声を掛けたアレンにルイスは振り返りながらそう答えた。ルイスの足はそのまま、城の警鐘塔を目指していた。
「ふぅ…
ホントにすっきりしたな」
長い螺旋階段を上がり、鐘の場所まで辿り着くと大樹の周りを見渡す。何年も草に覆われ、急に裸にされた土が色濃く広がっている。