この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編
・
「兄ちゃーん!
着いたぞー!!」
警鐘塔のてっぺんに到着したティム達が下を覗き、手を振っている。
地上に太陽が近づくにつれ、辺りが茜色に彩られていく…
ティム達に合図を返すとルイスは遠巻きに千年樹を見つめていた。
もうすぐだな…
ルイスは千年樹の根元から伸びて来た影を確認すると、長いこと閉ざされていた裏門を目指す。
アルは歩き出したルイスの後を黙って着いて行った。
錆び付き変色した重々しい門をくぐり、草を払われたばかりの裏地を見渡す。
「結構広いね…
これじゃ、隊の人達も草を苅るの大変だったかも」
「ああ、昔はここも役所の庭園なみに手入れされてたんだがな…
前王妃が亡くなってからは閉じられたままになった」
「前王妃って…」
「もちろん、俺の母親」
ルイスは戸惑うアルにクスっと笑い、答える。
「余計なことを気にするな。
死んだ人をいつまでも恋しがってちゃ前には進めない、辛い思いはお前達だって十分してきただろ?」
「う、ん…」
「それでも前に進んでる。…違うか?」
ルイスはアルの後頭部をポンと叩く。
「兄ちゃーん!
着いたぞー!!」
警鐘塔のてっぺんに到着したティム達が下を覗き、手を振っている。
地上に太陽が近づくにつれ、辺りが茜色に彩られていく…
ティム達に合図を返すとルイスは遠巻きに千年樹を見つめていた。
もうすぐだな…
ルイスは千年樹の根元から伸びて来た影を確認すると、長いこと閉ざされていた裏門を目指す。
アルは歩き出したルイスの後を黙って着いて行った。
錆び付き変色した重々しい門をくぐり、草を払われたばかりの裏地を見渡す。
「結構広いね…
これじゃ、隊の人達も草を苅るの大変だったかも」
「ああ、昔はここも役所の庭園なみに手入れされてたんだがな…
前王妃が亡くなってからは閉じられたままになった」
「前王妃って…」
「もちろん、俺の母親」
ルイスは戸惑うアルにクスっと笑い、答える。
「余計なことを気にするな。
死んだ人をいつまでも恋しがってちゃ前には進めない、辛い思いはお前達だって十分してきただろ?」
「う、ん…」
「それでも前に進んでる。…違うか?」
ルイスはアルの後頭部をポンと叩く。