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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編


冷たい風が気持ちいい。


濡れた髪をそよがせると茹でった頭の芯が引き締まる。

「んー…気分爽快!! ってやつですな!」

なんて、大きめの独り言にアルはふふっと微笑を漏らした。


ゆらゆらと揺れる街の灯かりを眺めて、目を細める。
片膝を抱え楽な姿勢で肘を付くと、アルは物思いに耽った…

少しずつ説き明かされて行く謎。

それにこれから、どう自分は関わっていくんだろう?


肘をついた手で、アルは濡れた髪をくしゃりと掴み頬杖を付くと部屋の中に目をやった。

無造作に壁に掛けられた村の宝…

遠い目で宝剣を見つめているとアルはふと、気に止める。

………あれ?


この石飾り…


こんなに艶があったっけ?…


アルは壁に掛けられた剣に、のそりと近寄った…


柄の中心に埋め込まれた石飾り。今までは何のヘンテツもない石だったはずなのに――――


今、目にするそれはビロードのような艶を帯び、乳白色をしている。

ちょっとしたお洒落なブローチにでもできそうだ。


「刃は今まで通り錆び付いたままだし…」

アルは剣を手に取り剣先を調べ、首を傾げた。


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