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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編
・
ほとんどの部分を幹に飲み込まれ、大樹と一体化している物体にアルはそっと触れて確かめる。
頭にすっぽりと被っていたフードを邪魔くさそうに脱ぐと、アルは背中の剣に手を伸ばし鞘からゆっくりと引き抜いた。
鍵穴を指でなぞりもう一度確認する。
剣先をそこに当てがうと、アルは一気に剣を奥まで刺し込んだ。
「………?」
何も起らない…
鍵の外れる音も何も聞こえない…
掘り起こした穴には雨水がどんどん流れ込み、瞬く間に浅い水溜まりを作り上げていく…
「何の穴でもなかったか…」
ルイスはチッと強く舌打ちしてぼやいた。
「こんなとこにあるんだ…これが“何か”なのは確かだと思うんだが…くそっ」
「………扉…
見つけたなら………」
「…?
どうした、アル?」
悔しそうに歯ぎしりするルイスの耳に、鍵穴を見つめたままボソボソと呟くアルの声が届く。
ルイスはそんなアルに近寄った。
十字の天が差し示す
汝の道に続く扉
見つけたなら
見つけたなら………
右往左往するべからず…
『きっとあべこべなのよ! 押してだめなら引いてみなさいってことと同じよ!!』
ほとんどの部分を幹に飲み込まれ、大樹と一体化している物体にアルはそっと触れて確かめる。
頭にすっぽりと被っていたフードを邪魔くさそうに脱ぐと、アルは背中の剣に手を伸ばし鞘からゆっくりと引き抜いた。
鍵穴を指でなぞりもう一度確認する。
剣先をそこに当てがうと、アルは一気に剣を奥まで刺し込んだ。
「………?」
何も起らない…
鍵の外れる音も何も聞こえない…
掘り起こした穴には雨水がどんどん流れ込み、瞬く間に浅い水溜まりを作り上げていく…
「何の穴でもなかったか…」
ルイスはチッと強く舌打ちしてぼやいた。
「こんなとこにあるんだ…これが“何か”なのは確かだと思うんだが…くそっ」
「………扉…
見つけたなら………」
「…?
どうした、アル?」
悔しそうに歯ぎしりするルイスの耳に、鍵穴を見つめたままボソボソと呟くアルの声が届く。
ルイスはそんなアルに近寄った。
十字の天が差し示す
汝の道に続く扉
見つけたなら
見つけたなら………
右往左往するべからず…
『きっとあべこべなのよ! 押してだめなら引いてみなさいってことと同じよ!!』