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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編


ティム達と夕食時に謎解き会談をしている側で、ユリアの放った一言。

トリックスターの加護を受ける悪戯好きな神。
その神の出す謎なら真面目に考えちゃいけない。

『そんなのあべこべでいいのよ!』

真剣に頭を悩ませるアル達に片付けをしながらユリアは適当にそう口をはさんでいた。


…押してだめなら引く?



アルは深く刺し込んだ剣を引いてみた…


「………違うな…」

「…アル…どうしたんだ?」

何も起らない鍵穴に向かってブツブツと繰り返すアルをルイスは怪訝な表情で覗き込む。



じゃあ…やっぱり右往左往?


アルは引いた剣をもう一度刺し込んだ。

「右往左往……」

口に出しながら剣を握る手を右に捻る…


「回らない…」

「アル?…大丈夫かお前?」


びくともしない剣の柄を、無理に捻った手首が痛い。

アルは痛めた筋をほぐし剣を見据えた。

…やっぱり…

右往左往するべからずだ…


アルはもう一度剣の柄に手を添えていた―――



十字の天が差し示す
汝の道に続く扉

見つけたなら

右往左往するべからず



アルの手はゆっくりと左に旋回する…


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