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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編



………カチャ…


「―――!」


アルの後ろ姿を見守っていたルイスの耳に軽い音が聞こえて来た。

「なんだ今のっ…」

「もうちょっと待って…」

覗き込むルイスをアルはとっさに止めた。

確かな手応えにアルの鼓動が早鳴る。フードを脱ぎ、びしょ濡れになるアルの髪を伝う雫が引き締まるアルの美しい表情に色気を与える。

ルイスは強く輝くアルの瞳に釘づけされたように目を盗まれていた…


あともう一回…


アルは呼吸を落ち着かせるように深く息を吸い静かに吐く。

…右に―――


左に回した剣をアルはそのまま一気に右に回した!


ガチャっと重い音が雨音に混じり響く――――


「やった!!―――っ…」

剣を抜き同時にそう叫んだ二人をまばゆい閃光が覆う!!
耳を裂くアルの悲鳴。
一瞬の強すぎる光に目がくらみ意識が遠のいていく。
とっさにアルを光からかばいルイスは濡れたマントごとアルの身を包み込んだ。

足元が崩れ堕ち、妙な浮遊感に息を飲む。失い掛けた気を手放さぬようにルイスは腕の中のアルを強く抱きしめた。

「つ…アル…大丈夫か」

光の余韻で頭痛が起きる。
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