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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第15章 守護神の書・前編


胸あてでしっかりとカバーされた胸を、アルは庇いながらも腹を抱えるルイスを恨めし気に睨んだ。

「はあ…悪かったって!…

そんなに怒るなよ…な?」


笑い過ぎて疲れた顔でため息をつくと、ルイスはアルの肩をなだめるように叩いた。警戒して足の止まったアルの肩に手を回すとルイスはアルを誘導しながら足を先へと踏み進めていく。


…ほんっとに油断もスキもないんだから!


アルはルイスに肩を抱かれながら、胸を庇う腕に力を入れていた。

まだ何か言いたげに、頬を膨らませたまま前を向き歩くアルにルイスは視線を落とした。



…綺麗になった………



艶のある白い肌、開いたシャツの襟ぐりからは華奢な鎖骨が覗いている…
初めて出会った時の薄汚れたあのアルの姿は何処にもなかった。


子供達を守る為に必死で生きてきた少女…


自分は頼りにならないと、涙を流してまで自分を責める…


心までもが清らかで純粋で…

そして、美しい…



「ふ………
やっぱりもったいないな………」


「…ん? なに?」


「いや…何でもない……」


見上げるアルにルイスは微笑み返した。


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