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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 守護神の書・後編
・
「どうした?」
足元の紋章を調べていたルイスが、自分の指先を庇うように見つめているアルの異変に気付き覗き込むと
「本に触れないの…ほら…」
「―――!?」
アルは答えながら再び書物に手を伸ばした。
その手が空中でぴたりと止まる。
確かに見えない何かで遮られているようだ。書物は触れる事を拒むようにアルの手を何かで隔てていた…
ルイスはその様子を眺め、腕を組み眉間に皺を寄せる。
「やっぱり鍵か…」
「鍵?…」
「ああ…紋章の真ん中に鍵穴“らしい”ものがある。
ただのひび割れかと思ったが…物は試しだ」
ルイスはアルにそう促した。口を結び緊張気味に頷くとアルは再び剣を構える。
また何が起るとも知れない。ルイスは辺りを警戒しながらアルの背後にピタリと寄り添った。
床に向けて真下に剣先を構える。アルはゴクリと喉を鳴らすと鍵穴らしき裂目にゆっくりと剣を突き刺した。
滑るように飲み込まれていく刃をルイスはしっかりと見届け耳を澄ませた。だが、鍵の外れた音は何もしない…
「どうした?」
足元の紋章を調べていたルイスが、自分の指先を庇うように見つめているアルの異変に気付き覗き込むと
「本に触れないの…ほら…」
「―――!?」
アルは答えながら再び書物に手を伸ばした。
その手が空中でぴたりと止まる。
確かに見えない何かで遮られているようだ。書物は触れる事を拒むようにアルの手を何かで隔てていた…
ルイスはその様子を眺め、腕を組み眉間に皺を寄せる。
「やっぱり鍵か…」
「鍵?…」
「ああ…紋章の真ん中に鍵穴“らしい”ものがある。
ただのひび割れかと思ったが…物は試しだ」
ルイスはアルにそう促した。口を結び緊張気味に頷くとアルは再び剣を構える。
また何が起るとも知れない。ルイスは辺りを警戒しながらアルの背後にピタリと寄り添った。
床に向けて真下に剣先を構える。アルはゴクリと喉を鳴らすと鍵穴らしき裂目にゆっくりと剣を突き刺した。
滑るように飲み込まれていく刃をルイスはしっかりと見届け耳を澄ませた。だが、鍵の外れた音は何もしない…