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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 守護神の書・後編


自然に抱かれた肩に大人の男の余裕を感じる。

滲み出す優しさに先程の警戒心もなく、アルは素直にルイスに笑顔を向けていた…


何気なく見つめ合い微笑みを交わす二人。



…?!


アル?――――




雨避けのコートで良く見えない。なにやら急ぎ足で食堂へと向かう二人組の姿を見つけてロイドは立ち止まった。


一緒に居たのは間違いなくルイスだ―――



連れの顔は確認できなかったが背格好はたぶん、アルに違いない…


ロイドは二人が消えた方向を見つめると馬小屋に踵を返した。

初めてだ…


ルイスのあんな顔はっ…



小雨の中、泥を跳ねるブーツを気にも止めずロイドはルイスの表情を思い浮かべていた。


見守るように優しい眼差しを注ぐ…


あの表情(かお)はどう見てもアルのことをっ―――



噛み締めた奥歯がギリっと軋んだ。


二人きりで何をしてたのかが無性に気になるッ


アルに気があることを知ってしまった以上は、ルイスがどんな誤魔化しを言っても気は置けない。なんとなく予感はしていた…

だがあの表情は…

本気だ──



ロイドは濡れた前髪を掻き上げると瞳に困惑の色を宿していた。

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