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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 守護神の書・後編
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まだ、昼を過ぎたばかりだというのに館内の通路にはランプがともされていた。遠い空の向こうでは、時折走る稲光が暗い雨空を不気味に照らしている。
ルイスとアルは食堂の椅子に隣り合わせで腰掛けると古びた分厚い本を開いた。
「この挿絵からして、恐らくは神獣について記されているんだろうな」
ルイスの呟きにアルも無言で頷いていた。
ページを捲っていると、今までの伝承の書物よりも図解付きの箇所が多く見受けられる。読めない文字の部分は勢い良く飛ばし、挿絵を見つける度に二人は顔を乗り出して覗き込んだ。
その度に二人の髪が触れ合う…
ルイスの柔らかな金糸の感触がこそばゆい。
アルはルイスの髪が触れた自分の毛先を指先でそっと流した。
ふわりとした余韻が地肌に残ったままだ。ふと、真剣な表情で本を見つめるルイスに視線がいった…
柔らかそう…
綺麗な金髪がルイスの整った鼻筋に微かに掛かる…
アルは流した自分の髪の感触を確かめるようにくしゃりと揉んだ。
しっかりとした毛並の質感に、アルの唇からため息漏れる。
「なんのため息だ?」
「え?…あ、いや、別に…」
まだ、昼を過ぎたばかりだというのに館内の通路にはランプがともされていた。遠い空の向こうでは、時折走る稲光が暗い雨空を不気味に照らしている。
ルイスとアルは食堂の椅子に隣り合わせで腰掛けると古びた分厚い本を開いた。
「この挿絵からして、恐らくは神獣について記されているんだろうな」
ルイスの呟きにアルも無言で頷いていた。
ページを捲っていると、今までの伝承の書物よりも図解付きの箇所が多く見受けられる。読めない文字の部分は勢い良く飛ばし、挿絵を見つける度に二人は顔を乗り出して覗き込んだ。
その度に二人の髪が触れ合う…
ルイスの柔らかな金糸の感触がこそばゆい。
アルはルイスの髪が触れた自分の毛先を指先でそっと流した。
ふわりとした余韻が地肌に残ったままだ。ふと、真剣な表情で本を見つめるルイスに視線がいった…
柔らかそう…
綺麗な金髪がルイスの整った鼻筋に微かに掛かる…
アルは流した自分の髪の感触を確かめるようにくしゃりと揉んだ。
しっかりとした毛並の質感に、アルの唇からため息漏れる。
「なんのため息だ?」
「え?…あ、いや、別に…」