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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 守護神の書・後編


髪を鷲掴んだまま、焦りながら答えるアルをルイスはじっと見つめた。


「あ、あの…ほんとに何でも……」


そ…んなに見ないでよ…



視線を反らしてくれないルイスにアルは余計に戸惑っていた。薄いブルーの瞳にルイスはアルを鮮明に映し出す。
濁りのない蒼い水晶に真っ直ぐに捕らえられ、アルは観念した。


「あ、あの…髪が…」


「髪?…」


「う、ん…

髪が…綺麗でいいなあ…って……」



「…………」


ルイスは無言でアルを見つめると、ふと口端を緩めた…

―――!


髪を掴んでいたアルの手をルイスはそこから外す。

ルイスの手はそのままアルの髪を手櫛でとかした…


「アルの髪だって綺麗だろ…」

え……


「艶もあるし…」


「あ…」


音色のいい声でルイスはそう囁きながら、すーっと優しく、アルの髪を長い指先で繰り返し鋤く。


「母親譲りか?…この毛色は…」

「あ、あ、うんっ…」


ちょっとドキドキする…


テーブルに肘を付き、頬杖した顔を向けて眩しそうに見つめるルイスをアルはまともに見れなかった。

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