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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 守護神の書・後編
・
視線を反らすアルの髪を指先で掬ったまま、後ろの壁のランプに髪を透かすとルイスは動きを止めた。
…な、なに?…
少しの間、それを眺めるとルイスは目を細め
「綺麗だ…」もう一度そう呟いた。
「……あ…ありがとう」
普段と違うルイスにドキマギとしながらアルはうつ向く。その途端、食堂の扉がバンッ! と激しく音を立てた。二人は入り口に顔を向け目を見開く。
「ちょっと…
触り過ぎなんじゃないか…」
黒い瞳に嫉妬の影が揺らぐ。扉を拳の脇で叩き付けたまま、ロイドが険しい表情でこちらを見据えていた…
その後ろでティムが驚いた様にロイドの背中を見つめている。ルイスに向けられたその眼差しは、明らかに無二の真友を敵視していた。
「に、兄ちゃん…落ち着こうよ……」
恐々とティムになだめられ、食堂の中に押されるロイドを目に止めたまま、ルイスは無意識にアルの髪を解放した。
「ん、どうしたんじゃ?
この重たい空気は…」
新たな書物を手に入れた報告を受け、老師も食堂を訪れた。緊迫した空気を払い去るように手をヒラヒラと游がせると、老師はルイス達の真向かいに腰掛けロイドにも席を勧めた。
視線を反らすアルの髪を指先で掬ったまま、後ろの壁のランプに髪を透かすとルイスは動きを止めた。
…な、なに?…
少しの間、それを眺めるとルイスは目を細め
「綺麗だ…」もう一度そう呟いた。
「……あ…ありがとう」
普段と違うルイスにドキマギとしながらアルはうつ向く。その途端、食堂の扉がバンッ! と激しく音を立てた。二人は入り口に顔を向け目を見開く。
「ちょっと…
触り過ぎなんじゃないか…」
黒い瞳に嫉妬の影が揺らぐ。扉を拳の脇で叩き付けたまま、ロイドが険しい表情でこちらを見据えていた…
その後ろでティムが驚いた様にロイドの背中を見つめている。ルイスに向けられたその眼差しは、明らかに無二の真友を敵視していた。
「に、兄ちゃん…落ち着こうよ……」
恐々とティムになだめられ、食堂の中に押されるロイドを目に止めたまま、ルイスは無意識にアルの髪を解放した。
「ん、どうしたんじゃ?
この重たい空気は…」
新たな書物を手に入れた報告を受け、老師も食堂を訪れた。緊迫した空気を払い去るように手をヒラヒラと游がせると、老師はルイス達の真向かいに腰掛けロイドにも席を勧めた。