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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 守護神の書・後編
「そ、う…だったのか…っ」
ルイスは額に手を当てた。
「既成観念に捕われ過ぎていたようじゃな…」
「ああ、…戦う為に創られた神の従者だからてっきり……
いかつい男ばかりを想像してた…
まさかお前が…」
ルイスは大きく息を吸う。
「アルが神の従者だったとは──…っ」
―――…!
アルはルイスの言葉に目を見開いた。
やっと見つけた
やっと…
なのに心から喜べなかった。
アルを見つめるルイスの瞳には憂いの陰りが揺れていた…
まだ少女だ…
神はっ…あまりにも残酷だ
こんな少女の細身の肩にはいくら何でも荷が重すぎる!!
ルイスは頭を抱えて呟いた。
「お前が…従者だなんてっ…」
老師もロイドもアルを心配そうに見つめている。
アルは皆の視線にいたたまれずに目を伏せた…
「ご…めんなさ…」
噛み締めた唇が微かに震える…
やっぱりあたしじゃ…
頼りないよね…っ
張り詰めていた思いが一気に崩れた。
守りたくても守れなかった!
母さんも村の皆もっ…
村を出ることだけが精一杯で…
子供達に助けられてばっかりで…
そんなあたしが神の従者だなんて…っ…