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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第16章 守護神の書・後編
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「ちょっと風が出てきましたね…」
「…?」
屋根のあるアーチ型の庭園。役所の裏の小さな憩いの場、椅子に腰を下ろし何気なく溜め息をつくアルにそっと穏やかに声を掛ける…
その主はアレンだった。
「どうしたんですか? そんな溜め息ばかりついて?」
いつもと変わらぬ優しい笑みを向け、アレンは尋ねる。アルはそんなアレンをじっと見つめた…
「どうしました?…」
アレンは見つめたままのアルに戸惑いながら笑みを向け再度聞き返す…
「アレンも…」
「……?」
「アレンもやっぱりこ〜んな女の人が好き?」
「………は!?」
アルの突飛な質問にアレンは驚声を上げた。
ははぁ…
もしや、ルイス殿ですね…
アルの悩みの根源が分かりアレンは苦笑いを溢す…
「好みとは…人それぞれだと思います…」
「それは分かるんだけど…
じゃあ…アレンの好みは?」
「わ、たしのですか?…
私は・・・」
アルに返され、とっさに空に何かを描き掛けたアレンの手が何故かピタッと止まった。