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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第17章 集結!
「兄じゃが俺に頼み?」
またも驚いた顔を見せるカインにレオは滅多に見せない真剣な目を向けた。
一番の気掛かりがある…
俺様がこの問題に掛りっきりになっちまったら守ることはどうしても難しくなる――
最近やけに綺麗になっちまったし…
めちゃくちゃいい匂いもしやがる!!―――
「カインっ!」
レオは名前を叫ぶと険しい表情でカインを見据えた。
「アルに……害虫が寄らないよう見張っててくれ!!」
「………」
どんな頼み事かと思いきや……。
力むレオの言葉にカインは呆気に取られながらただ頷いていた……。
「ほほう…もう、着きおったか…さすがじゃの。フエっフェっ…」
“しとしと”と降り止まぬ雨の音の中、山頂に戻った師匠は笑いを溢していた。二等身の身体では座っているのか立っているのかが分かりずらい…
座布団の上に居る様子からしてたぶんに正座をして居るのであろう。そんな師匠の背後にはほっそりとした身体に上下、真っ白の袴を纏った黒髪の女が立っていた…
「当たり前じゃぞえ。
わらわを誰じゃと思うとる?」
高めの声で女は師匠の背中を見下ろした。