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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第17章 集結!
生まれながらにして重大な責任か…
運命ってえのは一体誰が決めたもんなんだろうなぁ…
なあ…おっ母…
ふとザドルの瞳に優し気な…
そして、寂しい笑みが浮かんでいた…
「どうだマーク?」
翻訳作業に精を出すマークにティムは声を掛けていた。その後ろから様子を窺う様にユリアが覗いている。少し不安気な瞳に見えるのは、ティム達から“あの話”を聞いたせいなのだろう…
「順調だよ。アルは?」
「明かりが消えてるからたぶんもう寝てると思うぞ」
二人は部屋に入るとマークの手元を覗き込んだ。
たくさんの文字を書き写したせいで肩が凝る。手を休め、小さな肩をほぐし首を回すマークにユリアは温かいミルクを用意していた。
「あ、ありがとう!」
濃厚なミルクに甘い砂糖の香り。ふうっと息を吹き掛けコクッと飲むとマークはホッと頬を和らげた。
「手伝うことあったら何でも言ってね…」
分厚い本を見つめながらユリアは優しい言葉を掛けると、マークは口をキュッと結んで幼い顔を引き締めた。