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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第17章 集結!
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紫の絹地に金糸の豪華な刺繍が施された着物。頭に被った黒絹の帽子から、背中に垂れ下がった銀色のフリンジの装飾の長さが位の高い証拠でもある。
宰相は文面から顔を上げ呟いた。
「捜していた要人が見つかったか…」
「宰相様、我々は如何致しましょう!?」
「まあ待て…」
宰相は品良く顎に蓄えた黒い髭をゆっくりと扱き一息洩らすと焦る男を穏やかに制す。
「妃奈乃様から前に文が届けられていた…
確か、妃奈乃様達も東に向かうと申しておった……
何か感じておられたのかも知れん。この文書にも次の事項が明らかになるまで待たれよとある。
ならば事が確かになるまで待とうではないか…
その代わり、準備を怠ってはならぬぞ」
「は! では、仰せの通りに」
男は頭を下げ、宰相の前から直ちに立ち去った。
宰相は顎髭に触れたまま一点を見つめていた…
妃奈乃様は確か…四方の荒野を治める主達と会うと申しておったな…
うぬ…我ら凡の者よりも、彼方の者の方が機知に富んでいるであろう…
心強い顔ぶればかりを思い出し、宰相はクッと笑みを溢していた。
紫の絹地に金糸の豪華な刺繍が施された着物。頭に被った黒絹の帽子から、背中に垂れ下がった銀色のフリンジの装飾の長さが位の高い証拠でもある。
宰相は文面から顔を上げ呟いた。
「捜していた要人が見つかったか…」
「宰相様、我々は如何致しましょう!?」
「まあ待て…」
宰相は品良く顎に蓄えた黒い髭をゆっくりと扱き一息洩らすと焦る男を穏やかに制す。
「妃奈乃様から前に文が届けられていた…
確か、妃奈乃様達も東に向かうと申しておった……
何か感じておられたのかも知れん。この文書にも次の事項が明らかになるまで待たれよとある。
ならば事が確かになるまで待とうではないか…
その代わり、準備を怠ってはならぬぞ」
「は! では、仰せの通りに」
男は頭を下げ、宰相の前から直ちに立ち去った。
宰相は顎髭に触れたまま一点を見つめていた…
妃奈乃様は確か…四方の荒野を治める主達と会うと申しておったな…
うぬ…我ら凡の者よりも、彼方の者の方が機知に富んでいるであろう…
心強い顔ぶればかりを思い出し、宰相はクッと笑みを溢していた。