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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第17章 集結!
・
「早よう手を貸さぬか!
足元が崩れるではないか!
相変わらずトンマのようじゃの」
ちっ…相変わらず神出鬼没のババアだ…
同じくそう返したいところだが、レオは口を引き攣らせ、しぶしぶと妃奈乃を迎え入れていた。
「母上…何処ぞへ行かれてたのです?」
「ふむ、久しい竹馬の友と語っておったら時を忘れてしまったぞな…
それよりもレオ…見たところ、まだ南の地の者だけが“やはり”まだのようじゃな…」
「やはり?」
妃奈乃の問いに、レオの眉尻が上がった。
「どうやらその口振りじゃあ、儂らよりも何か知ってるようだが……どら、聞かせてもらうか」
口端をニヤリと上げる西岸の親方の言葉にレオは腕組をして頷いていた。
妃奈乃は赤い紅を差した唇にふふっと笑みを浮かべる。
「…して、親方や……」
「うむ、なんじゃい」
「此処へ来る道中は思うたより楽ではなかったか?」
「──!…へっ、なんじゃい、ありゃあオバアの仕業か…」
「誰がオバアじゃ!!」
「ぐあぁ!…っ…」
いきなり飛んできた妃奈乃の鉄扇が、親方の額に命中していた。
「つあっ…いきなり何しやがるっ…」
倒れて見る間に赤く腫れ上がる額をかばい、親方はなんとか起き上がる。
「来る途中、何かありやがったのか?」
「ああ、何度か崖沿いの山道を塞ぐデカイ岩があったんだが…儂らが手を出す前に、勝手に谷底へ落ちてった…」
涙を溜めて痛みを堪えながら親方はレオにそう答えていた。
「早よう手を貸さぬか!
足元が崩れるではないか!
相変わらずトンマのようじゃの」
ちっ…相変わらず神出鬼没のババアだ…
同じくそう返したいところだが、レオは口を引き攣らせ、しぶしぶと妃奈乃を迎え入れていた。
「母上…何処ぞへ行かれてたのです?」
「ふむ、久しい竹馬の友と語っておったら時を忘れてしまったぞな…
それよりもレオ…見たところ、まだ南の地の者だけが“やはり”まだのようじゃな…」
「やはり?」
妃奈乃の問いに、レオの眉尻が上がった。
「どうやらその口振りじゃあ、儂らよりも何か知ってるようだが……どら、聞かせてもらうか」
口端をニヤリと上げる西岸の親方の言葉にレオは腕組をして頷いていた。
妃奈乃は赤い紅を差した唇にふふっと笑みを浮かべる。
「…して、親方や……」
「うむ、なんじゃい」
「此処へ来る道中は思うたより楽ではなかったか?」
「──!…へっ、なんじゃい、ありゃあオバアの仕業か…」
「誰がオバアじゃ!!」
「ぐあぁ!…っ…」
いきなり飛んできた妃奈乃の鉄扇が、親方の額に命中していた。
「つあっ…いきなり何しやがるっ…」
倒れて見る間に赤く腫れ上がる額をかばい、親方はなんとか起き上がる。
「来る途中、何かありやがったのか?」
「ああ、何度か崖沿いの山道を塞ぐデカイ岩があったんだが…儂らが手を出す前に、勝手に谷底へ落ちてった…」
涙を溜めて痛みを堪えながら親方はレオにそう答えていた。